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印刷とは

印刷のあらまし

History of printing
印刷小史

印刷年表

印刷年表

活版印刷

1445年、ドイツのグーテンベルクによって発明される。 大量印刷のさきがけとなった。

鉛の活字を1文字づつ組んで刷版をつくり、印刷版に塗布したインキを直接用紙に印刷する直接印刷。
印刷精度が鮮明で、文字中心の印刷物に適した。
印刷版が活字で組んであることから活版印刷、印刷版の形状が側面から見た場合、凸型であることから、凸版印刷とも言われた。

写真植字機とこれにリンクした平版印刷機の出現により、活版印刷は徐々に衰退。
1980年代までは文字主体の印刷に根強い需要があったが、1990年代には古文書等の特殊な分野に限られ、現在は希少な存在となった。

写真植字機とオフセット印刷

1920年、わが国独自の和文タイプライターと写真の引き伸ばし機能を合わせ、文字盤に光を透過させ光の文字像を印画紙やフィルムに投影し、1文字づつ移動しながら原版をつくる写真植字機が出現。日本より世界に広がった。

原版はレイアウトによって台紙に貼りこまれ、印刷版をつくる最初の作業であるため版下と言われた。活版印刷のように原版を直接印刷機に取りつけることをせず、製版カメラでフィルム撮りをし、さらにPS版という感光層を塗布したアルミ板にフィルムを焼き付け、刷版をつくった。
印刷は、刷版(PS版)に塗布したインキを一旦ゴムブランケットに転写し、用紙に再転写するもので、オフセット(offset)印刷と言われ、刷版が平らなことから平版印刷とも言う。

活版がホットタイプと言われるのに対し、写真植字はコールドタイプと言われた。
活版印刷に比較し一長一短はあるが、納期(早い)、多様性(文字、画像)、汎用性(品質、数量)、合理性(滞版)等全般に優れ、1950年代から多くの印刷会社がコールドタイプ化し、印刷手法の主流となった。
1980年代にはいり、写真植字による組版は電算導入へと進んで行く。

軽印刷

戦後の経済復興下で、迅速かつ廉価な情報手段として、手軽にできる印刷が出現。
蝋を塗布した原紙に鉄筆やタイプライターで文字を打ち、原紙を刷版として直接謄写印刷機で印刷する。刷版の表面にインキを塗布し、文字を打ち込んだ部分からインキが裏面に染み込み、用紙に印刷されるため、孔版印刷とも言われた。

1970年代、高度経済成長とともに品質向上が要求され、オフセット印刷機が導入された。活版から移行したオフセット印刷とは品質面、価格面で一線を画し、軽印刷でのオフセット印刷との位置付けから軽オフと言われた。

軽オフは、タイプライターで印字(清打ち)した原版を版下に、写真植字で印字した版下同様、製版カメラでフィルム撮りし、小版のPS版に焼付け、小型平版印刷機で印刷したため、PTO(Photo Type Offset)印刷と言われた。

1980年代、組版はタイプライターから写真植字機に移行し、軽オフとオフセット印刷の区別はなくなった。
さらに写真植字機による組版は電算導入へと進んでいく。

組版の電算化

1980年代、コンピュータを使い組版を行うシステムが普及した。

文字データと割り付けデータを各々コンピュータに入力して組版処理を行う方式で、電算写植が出現した。従来の活版または写真植字に変るもので、CTS(Computerized Typing System)と言われた。
電算写植は、大量のデータを規則的に行う組版には威力を発揮した。

ワードプロセッサで入力した文字をコンピュータによって印刷書体に変換・出力する方式で電子組版が出現した。電算写植に比べ、機種が廉価で、取扱いが簡便なため、軽印刷の分野で普及した。
発注者がフロッピーディスクでデータを提供するという、従来とは異なった取引形態が生まれた。

DTPの出現

1985年、アップル社により、パソコンで①デザイン・編集、②版下、③製版の一連の作業を行うシステム、DTP(Desk Top Publishing)が出現した。
利便性、価格面など、従来の組版システムを多くの面で凌駕し、急速に世界中に普及した。このため、旧来のアナログ方式は激減した。

DTPの印刷物製作上の成果品はフィルム(DTP出現当時)であるが、機能がデジタルであるため、CD-RやWebなど、多種多様な成果品を生むことができる。

印刷にとって、DTPの出現はグーテンベルク以来の大きな改革。

CTPによるプリプレスのデジタルワークフロー化

CTPはComputer To Plateの略。
1995年にドイツで開催された印刷機材展「DRUPA」で実用化を目指して発表された刷版工程のデジタル化技術で、2000年以降、日本の印刷業界に普及し、現在は刷数の主流となっている。

DTPデータをRIP処理した印刷用データから、直接、印刷版となる刷版を作成することが可能。

従来の刷版(PS版)と比較し、PS版作成に必要なフィルムの出力が不要であるため、製作工程の短縮とコスト削減のメリットがある。

DTPの普及に続きCTPが出現したことで、印刷データから印刷版の作成まで、プリプレスのデシタルワークフローが確立した。

これに伴い、色校正についてもDDCP(Direct Digital Color Proofing)によるデジタル色校正の技術が普及した。

デジタル印刷(POD)、電子書籍

PODはPrint On Demandの略。
「必要な時に必要なだけ」というニーズ対応したデジタルプリント技術。
オフセット印刷と異なり、データから直接印刷(出力)するため、印刷版が不要となる。また、1枚ごとに異なる情報を印刷することが可能(バリアブル印刷)。
主に印刷業向けのデジタル印刷は1990年代前半に登場し、近年、その普及スピードは加速している。

電子書籍は、印刷物そのものをデジタル化することだといえる。
さまざまな端末やフォーマットの規格があるが、現状では紙の本に比べてコンテンツ数が少ない。出版や頒布に絡む権利問題といった数々の課題があるものの、今後の成長市場として期待されている。